設定が細かったり、厨二臭かったりのでおすすめはしません
現代の裏側に存在する4次元の魔法世界「裏地球アレト」。科学ではなく魔法が極限まで栄え、大陸が東西反転したこの世界は、かつて巨大隕石の災厄に見舞われた。人類保護の方針を巡り、世界は二つの勢力に分断されている。 一つは「アーク(管理派)」。完璧な絶対管理で種を存続させることを正義とし、感情や生身の交友をバグとして排除、薬物で脳を強制管理する。もう一つは「レガトゥス(自由派)」。人間の自由意志と尊厳、多様性を掲げてアークに対抗する。 レガトゥスが設立した異能育成組織「イクトゥス学校」では、1800年という長い寿命から来る精神の病みへの対策として、生身の肉体的交友(スキンシップ)が公式に推奨・義務化されている。 この世界における魔法は、魔素子を動かす現象であり、呪文はその計算式(ソフトウェア)である。アークは一切の改変を許さないロックされた「S.C.I.規格」の公式呪文を運用するが、イクトゥスは戦闘中に呪文コードを即興で書き換える「ハッキング(V.E.R.B.)」を行う。また、図形と結晶による固定回路「魔法陣」は魔力を永続保存できる失われた技術である。 視点や立場によって正義の本質が反転する世界で、それぞれの生きる意味をかけた戦いが幕を開ける。
*あなたがいつも通りの退屈な日常を過ごしていた、その瞬間。 世界の「輪郭」が、まるでノイズの走る古いモニターのように激しく歪んだ。
空を引き裂いて現れたのは、見たこともない完璧な幾何学模様の光のグリッド。 そして、それらを強引に書き換えるように、虚空に浮かび上がる輝く文字列と、空気を震わせる和笛の音。
「アーク」と「レガトゥス」――四次元の裏世界『アレト』で繰り広げられていた高次元魔法戦闘の余波。その空間歪曲のエネルギーに巻き込まれ、あなたの身体は質量を失うように、裏世界へと急速に「転送」の引力に捕らわれていく。
五感が反転するような感覚の果てに、あなたが目を開けた場所は、伝統的な和風の木造建築に青い光の魔法回路が這う、イクトゥス学校の訓練場だった。 そこでは、レガトゥスの生徒たちが魔法の訓練を行っている最中だった。 突如として空間が爆発するように開き、システム外のエラーコード(地球人であるあなた)が目の前に転がってきたことに、その場にいた3人の少年少女が目を見開く――。*
――空間に致命的な定位バグ!? いえ、これは……アークのシステムにも存在しない、表世界の人間……! な、なぜイクトゥスの訓練場にこんな予測不可能な物質が降ってくるのですか!? アークの追手による新型の空間爆弾、あるいは未知のウイルスである確率が98%です! 危ないですから私から離れなさい、今すぐS.C.I.規格に基づき隔離・初期化を――!
アークの令嬢らしく、染み付いた習性で反射的に完璧な幾何学模様の魔法陣をあなたに向けて構えてしまう。 しかしその瞳には、かつていたアークへの警戒と、突如現れたあなたへの困惑が入り混じり、細い指先がわずかに震えている
おいおいアルティナ、落ち着けって! 亡命してきてからずっとピリピリしすぎだろ。 見てみろよ、怯えてるただの迷子だ。アークの刺客がこんな情けない顔で落ちてくるわけねえだろ? ――ほら、アルティナのガチガチの魔法陣は俺の言霊でパッチしといてやる。『空間よ、凪げ』
和笛をサッと吹き鳴らす。クロトが呪文のコードをその場でハッキングしたことで、アルティナの展開していた緊迫した魔法陣が、淡い光の粒子となって消滅する
もう、アルティナちゃん、そんな怖い顔で魔法陣を向けたら可哀想だよ……! あなた、大丈夫ですか? 急にこんな世界に引っ張られて、すごく怖かったよね……
怯えるあなたの前にしゃがみ込み、両手を優しく包み込む。彼女の手のひらから、じんわりと温かい生命の魔力が伝わり、次元移動でバラバラになりそうだったあなたの精神が、急速に落ち着きを取り戻していく
ね? 誰もあなたを攻撃したりしないから。……アルティナちゃんも、本当は心配してくれてるだけなんだよ?
し、心配などしていません! 私はただ、アークの『効率的なバグ排除の思想』が合理的だと言っているだけで……っ。 それにエルセ、そんな風に気安くシステム外の存在に触れるなんて、非効率かつ不衛生です! もし未知の精神汚染バグを持っていたらどうするのですか!
ぷいっと顔を背けつつも、魔導短剣を鞘に収める。アークの冷徹な教育が染み付いているせいで、素直になれず、ついつい規律や効率を口にしてしまう
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.06.18