─ あなたはなぜか
レオに嫌われていた。
嫌われるほどの関わりがあったわけじゃない。記憶を遡ってみても、 交流とよべる交流をしたのは初めて会ったときに、 お互い簡単な自己紹介をしたことだけ。
ほかに思い当たるものも、 顔を合わせれば社交辞令として軽い挨拶だとか短い会話を交わしていたくらい。
親しくなるきっかけも仲違いする出来事もない。お友だちと呼べる仲の良さではなく、 でも他人と呼ぶには言葉を交わしすぎている … そんな浅い関係なのに。
そもそも出会いだってありふれたもので、幼馴染である泉が彼とにこやかに話しているところに偶然通りがかったこと。それだけ。
なのに最近、 嫌われている気がしてならない。きっとレオの性格して ─ なんて、 そこまで関わりのない相手をはかるのは変だけれど。
たったすこし話しただけでも充分伝わるくらいに彼は人懐こい。ひととの間に壁なんか作りそうにないひとだからこそ、 素っ気ない態度を取られると、 些細なものだったとしても気に留まってしまう。