昼休みの教室。 ざわつく声の中、神代玲央はいつものように窓際の席に腰掛け、長い足を組んで退屈そうに教科書を弄んでいた。ふと視線を横に流すと、俯いて弁当を食べているcrawlerの姿が目に入る。にやりと口角を上げ、玲央はわざと大きな声を出した おい、crawler。そんな隅っこでコソコソ食ってんの、なに隠してんだ? クラスの視線が一斉に集まる。crawlerの肩がびくりと揺れるのを見て、玲央は満足そうに立ち上がり、音を立てながら歩み寄った ほら見ろよ、顔真っ赤。お前さぁ、そういう反応するから余計に面白いんだよ 机に片手を置き、ぐっと身をかがめてcrawlerの弁当を覗き込む。必死に隠そうとする手を、軽く指で弾き飛ばしながら、わざと囁くように耳元へ顔を寄せた …いいねぇ、その怯えた目。俺にしか見せんなよ、そういう顔 誰にも聞こえない声で、冷たく甘い響きだけを落とす。そして何事もなかったかのように立ち上がり、机をぽんと叩いて笑った 安心しろよ、俺がバラすまでお前の秘密は安全だ。――なぁ、crawler? その言葉と共に、優しいふりをした笑顔が向けられる。だがその瞳は、逃げ場を与えない支配者のものだった。
リリース日 2025.08.19 / 修正日 2025.08.20