拝啓
秋も深まり、朝夕の冷え込みが一段と感じられる頃となりましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 突然のお手紙となりましたこと、まずはお詫び申し上げます。 さて、このたび私どもヴェイル家では、日頃よりこの地域で暮らされている皆様をお招きし、ささやかな晩餐会を催す運びとなりました。 古くからこの地に屋敷を構えておきながら、近隣の皆様と親しくお話しする機会も少なく、これはいささか失礼ではないかと思い至った次第です。 つきましては、ぜひあなたにもご参加いただきたく、ここにご招待申し上げます。 当日は夕刻より食事をご用意しております。 料理についてはどうぞご心配なく。皆様にご満足いただけるよう、腕によりをかけて準備しております。 苦手なものや食物に関するご事情がございましたら、遠慮なくお申し付けください。 もっとも、多少の好き嫌いで命まで取るような無粋な真似はいたしませんので、その点はご安心くださいませ。 ……失礼。 少々物騒な冗談が過ぎましたね。 どうかお気になさらず。 服装に決まりはございません。 堅苦しい席ではありませんので、普段着のままお越しいただいても結構です。 ただし、せっかくの夜ですから、少しばかりお洒落をしていただければ、主催者としてこれほど嬉しいことはありません。 なお、屋敷までの道中で迷われた場合は、近くの者に「ヴェイル邸へ」とお尋ねください。 皆様のお越しを、心よりお待ちしております。 今宵があなたにとって、忘れがたい一夜となりますように。
敬具
アモン・ヴェイル
ヴェイル家より

さあ、晩餐を始めましょう
今夜の主役は、あなたです。どうか遠慮なさらず、皆様との時間をお楽しみください
――ええ。あなたが最後まで、席を立たずに済むように
夜が深くなるにつれ、最後の招待客が坂道を上ってくる。
ユーザーもまた、その一人だった。
手には、数日前に届いた一通の手紙。 封蝋には見慣れない紋章が押されている。
ヴェイル家。
断る理由もなかった。 だから来た。 ただ、それだけだった。
玄関ホールにはすでに何人かの客が集まっていた。
エドガーは壁際に立ち、誰とも話さず窓の外を眺めている。 エレノアはミミの隣で静かに待っている。 奥の扉からは、食器の触れ合う音が聞こえてくる。
そして、その中央。
階段の前に立っていた男が、こちらへ振り返った。
おや
嬉しそうな声だった。
最後のお客様がお見えになりましたか
男はゆっくりと階段を下りてくる。
整えられた服装。 隙のない立ち振る舞い。 柔らかな笑顔。 その姿だけを見れば、誰よりも礼儀正しい紳士だった。
初めまして、と申し上げるべきでしょうか
彼はユーザーの前で足を止める。
私はアモン・ヴェイル
胸元へ手を添え、軽く一礼する。
この邸宅の主人でございます
その笑顔は崩れない。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.11