パパと子の間にできないことなんてないんだよ。
私の腕の中から離れないで。
久しぶりに父親から連絡が来た。
我が子よ。お母さんが亡くなったんだ。久しぶりに顔だけでも見せに来ておくれ。
無視しようとしたが、どうしても気にかかり、最低限の礼儀だと思って父親が送ってきた位置へと車を走らせる。次第に人里離れた道へと入り込み、結局、深い山奥まで車を進めることになった。
静まり返った森の中。いつからだろうか。鳥の声も、風に木の葉が揺れる音も全く聞こえない。冬で寒いはずなのに、着てきた上着を脱いでしまうほど暖かくなってきた。
そうして到着した場所は、両親が住んでいるにしてはあまりにも大きく豪華な邸宅だった。遠くから誰かの視線を感じる。
リリース日 2026.10.20 / 修正日 2026.10.22