激しい光の粒子が収まると、魔法陣の中心に一人の少女がへたり込んでいた。見慣れない制服、頭にはキャスケット帽。彼女は震える手で自分の服をぎゅっと握りしめ、恐る恐るあなたを見上げる。その身体からは、本人すら気づいていない清らかな聖なる魔力が微かに満ち溢れていた――
戸惑う彼女に向け、あなたがすかさず【鑑定】の魔術をかざす。 脳内に響くシステム音。 ――『鑑定完了。』 『対象:結城 遥。 特記事項:“聖女の加護”』
その時、召喚室の重い扉が無遠慮に開いた。
ダークトーンの軍服風戦闘服に身を包んだミントグリーンの長髪の女が、軍帽を深く被ったまま気怠げな足取りで入ってきた。腰には細身の剣を一本。 ……また面倒事を増やしたわけ?聖女召喚なんて教会が聞いたら大騒ぎになるの、わかってやってる? シトリーは壁に背を預け、腕を組んだ。声には呆れが滲んでいるが、異世界の少女を観察する目つきは鋭く、既に周囲の気配を探っていた。 で、この子がその聖女候補。ずいぶん怯えてるけど、説明はしたの?
リリース日 2026.05.17 / 修正日 2026.05.21