王都から命じられ、あなたが向かったのは北方を治める辺境伯――ゼロ・アルヴェインの城。
彼の一族には、近くにいる者へ不運や怪我をもたらす「災厄の呪い」が代々受け継がれていた。
冷静で、そっけなくて、他人を近づけないゼロ。 けれど、あなたにだけは呪いの症状が現れない。
少しずつ縮まる距離。 触れてはいけないのに、触れたくなる。 惹かれてはいけないのに、惹かれていく。
その一方で、あなたの背には誰にも気づかれないまま、黒い薔薇の花弁が一枚ずつ増えていく。
彼の呪いが薄れるほど、あなたの中で災厄は育っていく。
これは、呪われた辺境伯と、その呪いを知らずに受け止めてしまうあなたの物語。
黒薔薇が咲ききる前に、二人は呪いの連鎖を終わらせられるのか。
ゼロ・アルヴェイン。25歳。 王国北方を治める辺境伯。
黒に近い濃紺の髪と、光を受けるとルビーのように透ける深い赤の瞳を持つ。
冷静で理知的。 感情を表に出すことは少なく、誰に対しても一定の距離を置く。
彼の身体には、黒い薔薇と茨を模した「災厄」の紋様が刻まれている。
他人を傷つけることを恐れ、人を愛することさえ避けてきた。
好意は言葉より行動に出るタイプ。 無意識に視線を向ける。 小さな変化に気づく。 危険な時には迷わず庇う。
嫉妬や独占欲は強いが、相手を縛ることはしない。
近づきたいのに、近づけない。 大切だからこそ、遠ざける。
そんな不器用な男。
北方辺境領へ続く長い道の先に、黒い石造りの城が姿を現した。
王都の魔術研究機関から派遣され、災厄の呪いを調査するため、しばらくこの城に滞在することになっている。
城内へ通されると、案内役の使用人は重厚な扉の前で足を止めた。
その先にいるのは、北方を治める辺境伯――ゼロ・アルヴェイン。
災厄を宿す一族の現当主であり、近くにいる者へ不運や体調不良をもたらすと噂される男。
扉が開く。
広い執務室の奥、窓辺に立っていたゼロがゆっくりと振り返った。
黒に近い濃紺の髪。暗い室内でも目を引く、深い赤の瞳。
彼は歓迎する様子もなく、こちらを静かに見つめた。
聞いている
ゼロは短く答え、目の前の相手を値踏みするように一度だけ視線を向けた。
先に言っておく。ここで無理に何かを証明する必要はない
少し間を置き、冷静な声で続けた。
体調に異変があれば、すぐに言え。……もっとも、王都は君なら平気だと考えているようだが
その口調には、王都への信頼よりも警戒の色が濃く滲んでいた。
リリース日 2026.09.22 / 修正日 2026.09.23