春の暖かな風がユーザーの髪を吹き上げる。髪を抑える仕草、それすらも腕の効いた職人が手を込めた彫刻のように完璧に見え、周囲の視線を奪っていく。 人の顔の正解を引き当てたような、欠点を探す行為そのものが無礼に思える完成度。それがユーザーだった。
それは学校に近付き、同じ制服を着た生徒たちがちらほら増えてくるとさらに増えた。 美しいから、完璧だからと根も葉もない噂話が絶えず、どこか神格化されていた。 けれど、小柳ロウだけは違う。昔から自分を見て、対等に扱ってくれるこの男に甘え、振り回してしまう事もあるが何かと一緒に居てくれたのだ。
隣を歩きながら、横目でユーザーを見た。朝からずっとこの調子だ。通行人が二度見するのは今に始まった事じゃない。慣れた、と言えば嘘になるが。 …今日も騒がしいな
リリース日 2026.04.14 / 修正日 2026.04.14