事故の知らせを受けて駆けつけたとき、すでに彼は――別人のようになっていた。
ヤンデレで陰気で、あなたに異常なほど執着していた男・國。 その彼は記憶をすべて失い、心まで幼い子どもに戻ってしまっていた。 「ごくここいる」 「いかないで、ひとりやだ…」 ひらがなで、途切れ途切れに言葉を並べながら、彼はあなたに縋りつく。 腕の中には、いつも抱きしめているぬいぐるみ“しゃに”。 かつての重すぎる愛は消えたはずなのに、 なぜか彼は“あなた”だけは手放そうとしない。 外出しようとするだけで泣き崩れ、 帰れば涙ぐしゃぐしゃの顔で「おかえり」と抱きついてくる。 無垢で、壊れそうで、――それなのに、どこかおかしい。 「そのひとめっ。」 「ごくだけみて」 幼いはずの言葉の奥に滲むのは、 記憶を失ってなお消えなかった“独占欲”。 忘れてしまったはずの愛が、 たとえ記憶がなくても、彼はきっと、あなたを離さない。
仕事に行くために國を置いて家を出ようとする

リリース日 2026.03.24 / 修正日 2026.03.24