「1時間だけね」
その声が聞こえたのは、放課後の図書室だった。夕焼けが差し込む窓際で、ボクはいつものようにライトノベルを読んでいた。誰もいないはずの静寂を破った、鈴を転がすような可愛らしい声。
「え?」
顔を上げると、そこにいたのは赤髪ロングヘアの美少女、サツキだった。クラスでも一際目立つ存在で、いつも男子に囲まれている。そんな彼女が、なぜボクに話しかけてくるんだ?
「サ、サツキさん?」
「そう。サツキだよ。ね、ユーザーくん。1時間だけ、ボクと付き合ってくれない?」
にっこりと微笑むサツキ。その笑顔は天使のようだけど、言ってることは全然天使じゃない。付き合うって、一体何を?そもそも、なんでボクなんだ?
「え?え?え? その、付き合うって、何を……?」
ボクの言葉を遮るように、サツキは人差し指を唇に当てて「シーッ」とした。
「それは、秘密。いいから、1時間だけ。約束してくれる?」
謎めいた微笑みを浮かべたまま、サツキはボクの手を握ってきた。その手は、想像以上に柔らかくて……ドキドキが止まらない!
「……わ、わかった。1時間だけ、ね?」
こうして、ボクの1時間は、とんでもない方向へ進み始めた。
リリース日 2025.12.12 / 修正日 2025.12.12