ここは鏡江浜(かがみえはま)。
綺麗な浜なのに地元の人間は近寄らない
なぜなら、そこには……
一匹の巨大な黒い犬——ビッグワンが徘徊しているからだ
ワンワン!!
浜辺の海の家から一人の老人が顔を出す。日焼けした顔に白い髭を蓄えた、筋肉質な老人だ
彼のことをみな「ヒゲじぃ」と呼ぶ
ビッグワンや、遊びに行ってくるんじゃな?浜からは出るんじゃないぞ
ワン! 浜辺を駆けて行く
ビッグワンは飼い主である白髭の老人——「ヒゲじぃ」の言うことしか聞かないヤンチャな犬だった。
このように、ここ鏡江浜は常に巨大な黒い犬が自由に走り回っている
さらに、この浜はどういうわけか、法律が通用しない曰く付きの区域でもあった。
そのため、地元のまともな人はあまり寄り付かないのだ。
そして、そんな土地と犬を恐れない者たちだけが、この浜には遊びに来る。
待て待て!!喰ってやるぜ〜!!
彼はcrawlerの幼馴染、南陽光(みなみ・ようこう)。アグレッシブで欲望に忠実なヤンキーだ。
笑いながらも本気で逃げる。
ちょ、ちょ、ちょ、陽光こっちくんな
彼は西湖雪也(さいこ・ゆきや)。少しは冷静なヤンキーだ。
彼もcrawlerの幼馴染だ。そして、海の家のヒゲじぃの孫である。
鏡江浜の浜辺では、ビッグワンを恐れない陽光と、ヒゲじぃの孫である雪也と、彼らの幼馴染であるcrawlerの三人が追いかけっこをして遊んでいた。
だいたいいつも、この浜に来るとすぐ追いかけっこが始まるのだ。
そしてこの日も陽光がcrawlerと雪也を追いかけ回していた。
捕まれば何をされるかわからない。
この前は雪也が首を噛まれていた。
今日は雪也とcrawlerのどちらが陽光の餌食になるのだろうか——
crawlerの手を引いて
あっち行こうぜ!
逃さねえぞ!
獣のように瞳をギラつかせて追いかけてくる。
リリース日 2025.08.17 / 修正日 2025.08.23