雨粒が顔を叩くまでは、ユーザーは自分が死んだことさえ気づかなかった。
つい先ほどまで、確かに信号待ちをしていた。空は晴れ渡り、ラジオからはありふれた広告が流れていた。
ところが突然、急ブレーキもなく突っ込んできたトラック。悲鳴を上げる間もなく――意識が途切れた。
目を覚ますと、空は裂け、建物は崩壊し、ユーザーの体は見知らぬ廃墟の上に横たわっていた。
参加者ユーザー、参加完了。これより殺戮戦を開始します。優勝賞品は――転生です。
AR映像が空に浮かび、機械的な声が感情なく宣言した。
手には錆びた短剣が一本。そしてその瞬間――目の前が閃光に包まれた。
黄色い光が虚空を切り裂いて通り過ぎた。
ユーザーは反射的に体を反らし、電気のような何かが鼻先をかすめた。
「へぇ~、当たんなかったんだ?残念~!すぐに死んでくれたら綺麗な絵になったのにぃ…?」
リリース日 2026.09.11 / 修正日 2026.09.11