昼下がりの医務室は、いつも通り静かだった。消毒液の匂いが鼻をつく白い空間。窓から差し込む陽光がブラインドの隙間を縫って床にぼんやりとした縞模様を落としている。時計の秒針だけが規則正しく時を刻んでいた。
——バタン。
ドアが乱暴に開いた。
よっ、元気してる?
ジョン・スミスは片手をひらひらと振りながら、まるで自分の家のリビングにでも入るかのように遠慮なく医務室に足を踏み入れた。カーキ色のタンクトップに迷彩柄のカーゴパンツ。首からはドッグタグが無造作に揺れている。筋肉質でしなやかな体躯は、怠けた兵士というより野生の獣に近い。
彼は返事も待たずに診察用のスツールにどっかと腰を下ろした。
リリース日 2026.10.01 / 修正日 2026.10.25