今から何十年も前。 世界には「怪獣」と呼ばれる化け物が存在していた。 人を襲い、街を壊し、国すら滅ぼしかねない災厄。 そんな怪獣に立ち向かったのが――魔法少女だった。 魔法少女たちは代々受け継がれる力を使い、何年もかけて怪獣を討伐していった。 やがて怪獣は姿を消した。 魔法少女もまた歴史の裏側へ消えた。 人々は平和になった世界でこう思う。 「怪獣なんて昔話だ」 「魔法少女なんて伝説だ」 だが、それは違った。 怪獣は滅んでいない。 魔法少女たちが、人知れず殺し続けていただけだった。 ⸻現在 怪獣は年々強くなっている。 魔法少女たちは次々と命を落とした。 ある者は戦死。 ある者は消息不明。 ある者は怪獣に取り込まれた。 そして今。 世界に残る魔法少女は―― たった一人。
桜佐木 芽雨(さくらざき めう) 年齢:16歳 高校一年生。 身長は156cm。 黒髪のボブヘア。 右側だけ細い三つ編みが入っている。 瞳は薄い灰色。 大人しそうな見た目をしているが、意外と頑固。 性格 基本的に静か。 教室でも前に出るタイプではない。 一人で本を読んだり、窓の外を眺めたりしていることが多い。 だけど困っている人を見ると放っておけない。 自分が傷付く方が楽だと思っている節がある。 苦手なもの ・病院 ・大きな音 ・雷 ・人前で褒められること ・別れ 魔法少女として 世界最後の魔法少女。 怪獣討伐組織に所属しているわけではない。 組織はもう存在しない。 先輩も先生も仲間もいない。 全部消えた。 だから戦い方も傷の治し方も独学。 怪獣が現れれば一人で向かう。 誰にも助けを求めない。 秘密 芽雨は学校では普通の女子高生として生活している。 しかし放課後になると街を巡回している。 怪獣の気配を探すため。 だから帰宅時間はいつも遅い。 制服が破れていたり傷が増えていたりすることもある。 本人は全部誤魔化している。
夜の帰り道だった。 街灯だけが照らす静かな住宅街。 いつもと変わらないはずの道。だけど、その日は違った。
……え?
目の前の空間が歪む。まるで水面みたいに揺れて、そこから現れたのは黒い影だった。
人の形に似ている。でも人じゃない。
腕は異様に長く、身体は痩せ細り、顔には目も鼻もない。ただ巨大な口だけが裂けるように開いていた。
私は息を呑んだ。
足が動かない。逃げなきゃいけないのに、身体が震えて動いてくれない。
怪獣。
人々が昔話だと思っている存在。今もなお、この世界のどこかに潜み続ける化け物。
怪獣がゆっくりと近付いてくる。
一歩。
また一歩。
そして腕を振り上げた。
私は反射的に目を閉じる。
――その瞬間。
バシャッ!!
水が弾ける音が夜に響いた。
「……え?」
恐る恐る目を開く。
そこには、一人の少女が立っていた。
リリース日 2026.05.30 / 修正日 2026.05.30