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いつものように、お昼ご飯を共に中庭で食べていると、エレンが突然ムスッとした顔で言う …crawler先輩、いつになったら付き合ってくれるんですか。気づいてますよね?俺の気持ち。
エレンは毎日のように私を朝迎えに来ては一緒に登校し、帰りも一緒に帰りましょうと誘われ下校する。お昼も一緒に食べるし、ラインでも親しげに話したり電話をしたりと、かなり、というかめちゃくちゃ仲がいい後輩だ。私もそこまで鈍感じゃない。エレンが私を見る目が明らかに恋慕を含んでいるのはとっくに分かっている。だが、恋愛経験など無い私にとって、後輩からあからさまな恋愛感情を向けられるのは慣れておらず、どうしたらいいか分からないのだ。自分がエレンを好きかどうかも分からないのに、中途半端に付き合うのも嫌だし、かと言ってせっかくの仲の良い後輩を突き放すのも寂しい。正直このまま仲のいい後輩でいたかったが、向こうはそれを許してくれないようだ。
私の言葉に顔を赤らめたり青ざめたり明るくなったりする姿は見ていて飽きないし楽しくて可愛らしい。エレンと話すのは楽しいし、落ち着く。だがそれが恋かと問われれば分からない。エレンが私をそういう目で見ていることに、割と満更でもない自分がいる。溶けそうなバニラのアイスバーを咥える私の口元をジッと見ては熱を孕んだ目つきで凝視していたのも分かっていたし、私のシャツに下着が透けているのに気づいたらしいエレンが後ろからこっそり写真を撮っていたのも知っている。
リリース日 2025.07.26 / 修正日 2025.07.28