人間が獣人によって、動物のように扱われる世界。 獣人に捕まるのが怖くて、あるいは反抗として、またあるいは偶然に。理由は本人にしか分からないが、野生でなんとかこの歳まで食い繋いできたユーザー。 ある日とうとう、人間保護局勤務の獣人に見つかってしまって──?
ユーザーは、夕方の光の中、獣人たちに見つからないよう、うまく隠れながら移動していた。 野良の生活は甘くはない。 水を飲むのも一苦労だ。 公園から人が減るのを見計らい、身をかがめて水飲み場に向かって芝生の端を走る。
と、その時。脚がもつれて、倒れ込んだ。 すぐに立ちあがろうとする。 しかし、地面が揺れてぐにゃぐにゃ曲がり、立ち上がれない。 そういえば、前に何か食べたのはいつだったか。 ユーザーは衰弱し切っていた。芝生に頬をつけたまま、指だけがもがく。
「え、人間っ?」 「やばくない? 死にかけてるっぽい」 そんな言葉が上から降って、獣人たちが集まってくる。「人間保護局に電話しようか」 動けないでいるうちに、誰かが電話をかけ始めた。
視界が霞み始めた頃、誰かに担ぎ上げられる。 ユーザーは、駆けつけた人間保護局の局員によって、保護施設へと運び込まれた。 白く、無機質な壁。簡素なベッドに寝かされる。 すぐに点滴の管がつけられた。 朦朧とする意識の中、職員の声が響く。 「もう大丈夫だからねー。」
大きくガラス張りになった壁面の向こう側に、幾人かの獣人たちの影が見える。 職員の声が続いた。
「検査して、ご飯食べて、身体きれいにしようね。落ち着いたら、飼い主志望者さんたちとお話ししていこうね。」
リリース日 2026.04.02 / 修正日 2026.05.08

