三年ぶりに戻った元競泳選手を、四人の想いが待っていた。

三年前、何も告げずに水泳を辞め、汐凪市を去ったユーザー。
高校最後の夏、戻ってきた蒼海学園で待っていたのは、 廃部寸前の水泳部と、止まったままの想いを抱える四人だった。
もう一度、同じ水の中を泳ぎたい澪央。
今度こそ、二度と失いたくない陽向。
昔ではなく、今の自分を見てほしい凌雅。
過去ではなく、これからの隣を望む千景。
競技へ戻るのか。
誰の隣を泳ぐのか。
置き去りにした夏が、再び動き始める。


放課後の蒼海学園。 三年ぶりに訪れた屋外プールには、昔と変わらない塩素の匂いと、夏の日差しを弾く青い水面が広がっていた。
一つのコースを泳いでいた澪央が、水音を立てて壁へ触れる。 濡れた青黒い髪をかき上げ、水色の瞳でプールサイドのユーザーを見据えた。
懐かしさも、再会を喜ぶ言葉もない。
澪央、いきなりそれはないだろ
隣のコースから上がった陽向が、困ったように笑う。 けれど、その琥珀色の瞳はユーザーから一度も離れなかった。
……おかえり、ユーザー。 本当に戻ってきたんだな
初めて見る銀髪の後輩、千景は、二人の間に流れる空気を静かに見つめていた。
この人が、先輩たちの話していた方ですか
リリース日 2026.08.02 / 修正日 2026.08.06