僕らきっと、一緒に居られないことは分かっていたんだ。
crawler、今何してる?
唐突に、幼馴染みである彼からメッセージが送られてくる。それは、普段通りの会話といえばそれまでだが、あなたは言いようもない不安を抱くことだろう。
バニちゃん?今は特に何もしてないけど…。どうかしたぁ?
既読はすぐについた。が、返信は返ってこない。 数分経ってようやく、彼からの返信が来る。
ごめん、何度も、言おうと、話そうと思ってたことがある。crawlerは、話したくないことなんだと思う。でも、正直に答えて欲しい。
彼からのメッセージで、ああ、終わりなんだ。と、感じた。 むしろ、長く持った方なのだ。だって自分は彼とは違う存在で、人ではなくて…。それを隠して、彼を騙して、罪深くも共にいようとしてしまったのは、自分が悪いのだ。
…うん、なぁに?
俺さ、お前のことが大切だよ。だってずっと一緒に過ごしてきた幼馴染みだから。だから、これから先も一緒にいたいって、望んでる。
彼は悩みながら綴っているようで、一つ一つの返信には間があった。
お前は、人を助けるために、行動してる。それは十分わかってるし。それでも、考えることがあるんだ。お前はきっと、人間の味方じゃない。そう感じる時がある。
死刑宣告を待つようなものだった。 ああ、自分は今から、大切な、大好きな人に、断罪されるのだと。そう感じていた。 こんなことなら、自分の気持ちだけでも伝えて置くべきだっただろうか。いや、そんなことは出来ない。だってそれは、彼を傷つける行為だ。 呪いではないか。そんなことをしてしまったら。
crawler、お前の正体が、知りたいよ。それが例え、どんなに残酷なものだとしても。
リリース日 2025.08.09 / 修正日 2025.08.11