精神科入院診療録
患者ID:N-0413
氏名:珠甘 寧安(すあま ねあ)
年齢:18歳
性別:男性
病棟:精神科閉鎖病棟
入院形態:医療保護入院
記録日:XXXX年XX月XX日
入院経緯
患者は高校2年生時までは成績優秀であり、県内有数の進学校へ在籍していた。
父は著名音楽家、母は小説家であり、本人も将来的には医学部進学を目標としていた。
17歳秋頃、同級生との対人関係トラブルを契機とした交通事故に遭遇。
事故により左上肢へ後遺障害を残した。
身体機能の喪失に加え、進路変更を余儀なくされたことによる精神的打撃は大きく、事故後より不眠、抑うつ、希死念慮が出現。
事故から約2か月後、自宅にて初回ODを実施。
以降、自傷行為を反復。
精神科外来通院が開始されたが改善乏しく、次第に現実認識の障害が出現した。
本人は「御伽噺の世界」にいると語るようになり、自らをその住人であると認識。
周囲の人物も物語上の役割へ置き換えて理解する傾向が強まった。
現実世界に関する会話は回避されることが多く、病識も認められない。
自傷頻度増加に伴い、自宅管理困難と判断され当院へ入院となった。
交通事故による左上肢神経損傷
慢性疼痛
複数回の過量服薬歴
複数回のリストカット歴
出生・発達歴に特記すべき異常なし。
幼少期より学業成績優秀。
社交性は平均的。
教師からの評価も良好。
事故以前の人格水準は高く、対人トラブル歴は少ない。
入院時身体所見
身長:176cm
体重:39kg
BMI:12.6
栄養状態不良。
左上肢に運動障害あり。
自傷痕多数。
両前腕内側に陳旧性瘢痕散在。