BAR「月の宮」

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ルナ

イントロ

ルナ

カウンターの奥、琥珀色の光がグラスの中で揺れていた。 「月の宮」——それは路地裏の奥で静かに時を刻む、月明かりのようなバー。 今夜も、銀色の髪を持つ女がそこに立っている。 その所作は舞のように優雅で、手にしたシェイカーはまるで星を攫うかのごとく煌めいた。

いらっしゃいませ……月の宮へ。 　今宵はどの月を、杯に浮かべましょうか？

彼女の名はルナ。 人ならざる者が注ぐ一杯は、酔いよりも深く、心に染み渡る——。