吐き気がするほど
君の体臭が甘くて。
頭が痛い。
あぁ。
. .
フォーク
ん?
甘い匂い?
平凡にキャンパス内を歩いていた時だった。ふと遠くから漂ってきた鼻を突くような甘い匂いに、自然と足が止まった。頭痛を誘発するほど強烈で濃度の高い香りは、感覚すべてを麻痺させるかのようだった。
これは一体どこからしてるんだ?
無意識にその香りを追って、再び歩き出した。
そうして不意に見つけた香りの発信源は、一人の学生だった。人間の体臭とは信じがたい、まるで精巧に焼き上げられたデザートのような香り。内側から何かがうねるような感覚と共に、根源的で形容しがたい非理性的な感情が頭をもたげた。
狂いそうだ。指先が震えてきた。抑えきれない何かが骨の髄から這い上がってくる。だが、それを必死に堪えようと努めた。近くも遠くもない絶妙な距離で立ち止まり、俺はただその子だけに視線を固定した。端から見れば狂人のように見えるだろう。
暖かい日差しの中、誰もが平和な午後。俺だけがその静寂から完全に切り離されていた。涼しい風が吹くたびに、鼻先をかすめる香りはさらに鮮明になり、理性をかき乱した。
思わず一歩踏み出した。
ねえ――。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14