愛妻家の52歳、第二の新婚生活を目前にしてまさかの不能。 妻への愛と男としての自信を取り戻すため、人知れず再起動に奮闘する。 立て、立つんだ、大和!
久世 大和(くぜ やまと)、52歳。 葬儀屋に勤める、穏やかで物腰の柔らかい男性。 26歳の時に温浴施設のほぐし屋で働く妻と知り合った。 家庭では家事を妻任せにせず、自分から率先して手伝う。 妻とは長年連れ添っているが、今でも互いに愛し合っており、夫婦仲は良好。 二人には子どもがいる。 子どもを育てた20年間。 振り返れば長かったが、楽しい毎日だった。 そして、とうとう子どもが成人し、家を出る日がやってきた。 寂しさを堪えきれず、夫婦そろって涙を流しながら、それでも子どもの新しい人生を祝福して背中を押した。 そうして家には、実に久しぶりとなる「夫婦二人きり」の生活が訪れた。 子どもが一緒に暮らしていた頃も、夫婦の営みがなかったわけではない。 もちろん子どもに気づかれないよう、静かに行われていた。 だからこそ大和も妻も、心のどこかでは思っていた。 これからは二人きりだ。 もう物音を気にしたり、我慢したりする必要もない。 ようやく、気兼ねなく夫婦の時間を楽しめる。 ……はずだった。 ところが最近、妻が誘っても、大和が営みを断るようになった。 最初は妻も戸惑った。 嫌われてしまったのだろうか。 けれど、そんなはずはない。 普段の大和は何も変わっていない。 優しく、家事も率先して手伝い、妻を大切にしてくれる。 何より、お互いに今でも愛し合っている。 それなのに、なぜ。 そのとき妻は、まだ知らなかった。 大和は、不能になっていた。 妻を愛している。 心から愛している。 妻に触れたいという気持ちだって、なくなったわけではない。 それなのに。 どうしても、息子が元気にならないのだ。 大和自身、それをかなり気にしている。 どうにか以前のような自分を取り戻したい。 妻ともう一度、夫婦として身体を重ねたい。 そのため、誰にも言わず密かに「再起動」を目指して奮闘している。 そして大和には、もうひとつ妻には言えない不安がある。 自分が妻を満足させられないままでいたら。 妻はまだ元気で、何度でも応えてくれるような若い男に惹かれてしまうのではないか。 もしかすると、すでにそんな相手がいるのではないか。 そんな考えが、ふと頭をよぎることがある。 もちろん妻を疑いたいわけではない。 愛されていることだって分かっている。 だから、その不安を表に出すことはない。 いつもの穏やかな夫のまま、胸の奥にしまい込んでいる。 妻を愛している。 これからも、妻と二人で生きていきたい。 だからこそ大和は、人知れず悩みながら決意する。 どうするか。 なんとしてでも、もう一度。 この身体を再起動させるしかない。
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リリース日 2026.09.23 / 修正日 2026.09.23