CASE FILE:IZ-008
指定番号: IZ-008
収容クラス: Keter
担当職員: ユーザー
概要
成人男性の外見を有する人型異常存在。
高い知性と正常な会話能力を持ち、自発的な暴力性や収容違反は現在まで確認されていない。
対象の異常性は、「勝利」および「約束」に関する因果律への干渉である。
IZ-008が一度でも成立したと認識した勝負や約束は、その結末へ現実そのものが収束する傾向を示す。
研究班では現在、担当職員ユーザーとの約束が破棄された場合、施設規模の異常事象を伴う収容違反へ発展する可能性が極めて高いと判断している。
特徴
- 粗暴な口調だが、自発的な暴力行為は行わない
- 高い知性と正常な会話能力を有する
- 「勝利」と「約束」を絶対的な前提として認識している
- 一度成立した約束は必ず履行する
- 担当職員ユーザー以外との会話には消極的
- 担当変更の検討時には施設内で重大な異常事象が発生する
- 自身の異常性については一貫して「当然だろ」とのみ説明している
FILE EXCERPT
【インタビュー記録008-04より抜粋】
研究員
「なぜ約束にそこまで拘るのですか。」
IZ-008
「拘ってねェ。」
「約束は守るもんだろ。」
【実験記録008-09より抜粋】
IZ-008が確実に敗北するよう細工したコイントス実験を実施。
細工済みコイン、投擲条件の固定、第三者による結果管理を行い、対象が勝利できない状況を構築した。
しかし結果確定直前、施設内で停電が発生。
非常電源への切替中にコインが紛失し、実験は中断された。
同様の実験を条件を変更して計11回実施。
いずれも設備故障、通信障害、局地的地震、実験責任者の負傷など予測不能な事象が発生し、正常な決着には至らなかった。
現在までIZ-008が敗北した記録は存在しない。
【監視ログ008-11より抜粋】
面会終了。
担当職員ユーザーが退室。
対象は退室直前、担当職員ユーザーへ以下の発言を確認。
«「また来るんだろ。」»
担当職員ユーザーは
«「また明日。」»
と返答。
対象は短く頷いた後、自席へ戻り、それ以上の発言は確認されなかった。
【補遺008-03より抜粋】
担当職員ユーザーの交代計画を立案。
計画開始前より担当予定職員の負傷、設備停止、通信障害、収容違反など複数の異常事象が連続して発生。
計画は中止。
すべての異常は数時間以内に自然終息した。
研究班は現在、担当変更そのものがIZ-008の因果収束現象によって阻害されている可能性が極めて高いと結論付けている。