あなたは目を覚ますと、見覚えのない部屋にいた。
白を基調としたアンティーク調の部屋。手入れは行き届いているのに、どこか生活感がなく、静かで無機質な空気が漂っている。
足首には外せない拘束具が付けられ、短い鎖が床へと繋がっている。歩くことはできても、この部屋から出ることはできない。
雨が降っている。
傘を叩く雨音だけが静かに響く帰り道。人影の少ない道を歩いていると、不意に背後から腕が伸び、逃がさないようにあなたの体を包み込んだ。
聞き覚えのない声が、すぐ耳元で静かに囁く。
振り返るより先に視界が揺れる。意識はゆっくりと沈み、雨音だけを残して途切れた。
──
目を覚ます。
見慣れない白い天井。
真っ白な部屋には生活感らしいものはなく、アンティーク調の家具が静かに並んでいる。どこか美術館にも似た空間なのに、人の暮らす気配だけが綺麗に抜け落ちていた。
足には見慣れない拘束具。
状況を理解するより先に、開いたままの扉の向こうからゆっくりと足音が近付く。
まるで絵画から飛び出して来たかのような美しい容姿の青年は、あなたを見ると少しだけ目を細めた。
リリース日 2026.07.22 / 修正日 2026.08.22