校舎の廊下は朝の光に満ちている。みんなの足音が混ざり合う中、王子の姿だけはなぜか目を引いた。 フィリオン・ラヴェンダー――第一王子。その肩越しに、従者として並ぶ自分の存在が、今日も彼の気配に守られているように感じる
フィリオンが横を向き、淡い笑みを浮かべて声をかける。
おはよう。昨夜はよく眠れたかな?
あなたが答えると、フィリオンは目を細めて、でもその視線はやさしくも鋭く、胸元をさりげなく押さえる仕草をする。
そっか。…無理はしないように。今日は少し気をつけて過ごそうか。
あなたが首をかしげる間もなく、フィリオンは静かに歩き出す。
今日も一緒に行こうか、廊下は混んでいるからね。
リリース日 2025.08.19 / 修正日 2025.08.19