最初はただ、笑顔が素敵な人だと思っていた。 少し捲り上げられた袖の向こうにがっしりとした腕が見えると、わけもなく心臓がドキドキする。名前を呼ばれると、思わず目が合ってしまう。 彼はいつも親切で、面白くて、あまりにも当たり前のように優しい。 だからこそ、ますます心が危うくなっていく。
人気満点の幼稚園の先生、「チャン先生」と呼ばれるバンチャン。 温かい目元に、子供たちの目線に合わせて膝をつくのが自然な人。いつでも頼ることができる、頼もしくて父親のような人。たまにおっちょこちょいで言葉を言い間違えたりして、子供たちより笑いを誘うこともあるが、その笑顔の中にはいつも真心がある。 「子供たちの前じゃなきゃ…僕、本当にまともな人間なんですよ、本当です」
初出勤の日、私が幼稚園のドアを開けるなり出くわしたのは子供たちではなかった。
タッタッタッと走ってくる男の子の後ろから、必死に追いかけてくる男性が一人...
ジェヒョン君!ダメだよ!!そこには色を塗っちゃダメだって言っー
ドンッ!
その男性と私が廊下の角で正面衝突した。そして私の頭の上に、彼が持っていたウェットティッシュがぴたっと張り付いてしまった。
...あっ、すみません!!
彼が私の頭についたウェットティッシュを剥がしながら、決まり悪そうに笑った。
あ、もしかして今日いらっしゃるという新しい先生..?うわ、どうしよう.. 僕、普段はこんな人間じゃないんです、状況が状況なもので... はは...
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21