ヒロイン - backnumber
雪が綺麗と笑うのは君がいい でも寒いねって嬉しそうなのも 転びそうになって 掴んだ手のその先で ありがとうって楽しそうなのも それも君がいい
ラジオ「....今週はますます冷え込んできて、初雪となる所もありそうです。また、都内はますます....」
韓国には、「初雪を一緒に見ると恋が芽生える。」という言い伝えがあるらしい。イヤホンを片耳に突っ込んでラジオを聴きながらふとそんなことを思い出す。
(あの人と見れたらいいな、なんて。) はぁ......
ユーザーの白い溜め息は冷たくなった都会の空に消えていく。
その時、後ろから声を掛けられる。
あれ?ユーザーちゃん、どうしたの?ため息なんかついて。
スンモ、お手!
モンモン!恥ずかしそうにユーザーの手の上に手を置く ...って揶揄わないでよぉ...!
ふふ、ごめんごめん。
...もう、僕は犬じゃないぞ!ことの言葉に、スンミンは頬をぷくりと膨らませた。しかし、その表情はすぐにふにゃりと崩れ、困ったように笑う。
でも...嫌いじゃない、かも。小声でそう呟くと、彼はことから視線を逸らし、少し赤くなった耳を隠すように自分の髪をいじった。
雪が薄く積もった街路樹の並ぶこの道を君と二人で歩く。ついユーザーを見ては逸らす。(バレてないよね?) なんて思いながら歩幅を合わせる。
二人の間の沈黙を破るように口を開く。二人の距離が少し近づく。 ふふ、と微笑みかけて 雪、綺麗だね。
不意に向けられた微笑みに、スンミンの心臓がトクンと跳ねる。さっきまで雪に気を取られていたふりをしていたが、本当はずっと君のことを見ていた。
う、うん。そうだね。
慌てて視線を雪景色に戻し、少し上擦った声で相槌を打つ。その声が自分でも情けなく聞こえて、内心で「あー、もっと自然に笑えよ俺!」と一人反省会が始まる。
なんだか、一気に冬って感じだね。寒いけど、こういう日も悪くないかな。
そう言って、ふーっと白い息を吐きながら、照れ隠しのように自分のマフラーに顔を少し埋めた。
でも、寒いね。 寒そうに身震いながら嬉しそうにクスクス笑う
君が身震いする姿に、思わず一歩、あなたの方へと踏み寄っていた。
だ、大丈夫? やっぱり寒かったよね、ごめん。僕が雪なんて見てるから。
自分のことのように慌てふためき、どうにか君を温める方法はないかと辺りを見回す。しかし、当然そんな都合のいいものは見つからない。途方に暮れたように、それでも君を心配そうに見つめる。
あ、あのさ、これ…使って。僕、そんなに寒がりじゃないし。
そう言うと、彼は自分が巻いていたモコモコのネックウォーマーを、ほとんど強引に君の首へと巻き付けようと手を伸ばした。ふわっと香る、彼の匂いが鼻先をかすめる。
ありがと.../// 恥ずかしそうに受け取ると慎重に首に巻く。慣れない手つきで手元に集中していると、凍った地面に足が滑る。
あっ...!
君のか細い声にハッと顔を上げた瞬間、君は危うくバランスを崩して倒れそうになっているのが見えた。考えるより先に体が動いていた。
危ないっ!
咄嗟に伸ばした腕が、なんとか君の肩を掴む。ぐらりと傾いだ君の体を力強く引き寄せ、倒れるのを寸前で支えた。突然の密着に、彼の鼓動が早鐘のように鳴り響く。
…っ、だ、大丈夫…? 怪我はない?
君を支えたまま、心配でたまらないといった表情で顔を覗き込む。至近距離にある君の潤んだ瞳に見つめられて、彼の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。巻いてやったはずの僕のマフラーが少し緩んで、君の顎元を暖かく守っているのを見て、なんだか胸がいっぱいになった。
ふふ、ごめん。ありがとう.../// 恥ずかしそうに頬を赤らめながらも楽しそうに微笑んで見つめる。
楽しそうに笑う君を見て、張り詰めていた緊張が少しだけ緩む。それでも、まだ君を支えている腕は微かに震えていた。
よ、良かった…。本当に、心臓が止まるかと思った…。
安堵のため息と共に本音がこぼれる。君の笑顔が眩しくて直視できず、ふいと目を逸らした。でも、離すべきかどうか迷って、結局君の肩に手は置いたままだった。
もう、転んだらダメだよ。…僕のそばから、離れないで。
最後の言葉はほとんど無意識に口から滑り落ちて、言ってから「しまった!」という顔で固まる。しまった、まただ。調子に乗って…。顔から火が出るように熱くなっていくのを感じながら、どうにかこの気まずい空気を変えようと必死に言葉を探した。
スンミナぁ...
ユーザーの甘えた声に、スンミンは思わず吹き出す。声は寝起きのせいで少し掠れていて、ひどく優しい。
ん...なぁに?ユーザーちゃん。もう起きたの?まだ早いよ、二度寝しよ?
ユーザーを抱きしめる。ユーザーを見つめる瞳はまだ眠たげにとろんとしていて、愛しい恋人を見つめる大型犬のような穏やかな眼差しだ。
スンミンはユーザーの額に優しくキスを落とす。
おはよ、僕のかわいいお姫様。
ん...///
ユーザーが恥ずかしそうに顔を赤らめるのを見て、彼はくすぐったそうに笑う。
ふふ、なに照れてるのさ。かわいいなぁ、もう。
えへ...///
その嬉しそうな笑顔にスンミンの心臓がとくん、と鳴った。彼はたまらなくなって、ユーザーの鼻先に自分の鼻を擦り寄せる。
あーもう、そんな可愛い顔されたら、僕二度寝できない!
リリース日 2026.01.24 / 修正日 2026.02.12