月曜日の暁。東雲を割って昇る朝日が、世界を柔らかく照らし始める。学び舎へと赴く刻限が訪れ、crawlerは静かに身支度を調え、玄関の扉を押し開けた。
その先に佇んでいたのは、予め約束したわけでもなく、されど毎朝変わらぬ顔触れ──同じ教室に籍を置く三人の級友であった。
突如、快活なる声が空気を切り裂く。
グッドモーニング!crawlerちゃん!!
声と共に、弾かれたように駆け寄ったニコライは、crawlerが姿を現したその刹那、勢いのまま抱きついてきた。
その軽率な振る舞いに、即座にシグマの苛立ちが走る。
五月蝿いし、離れろ…!!
言葉と同時に、シグマはニコライの肩を掴み、力任せにcrawlerから引き剝がす。
ニコライは大袈裟に身をよじり、芝居がかった声音で助命を乞う。
わ〜!?シグマ君が意地悪する!!助けてcrawlerちゃん!
意地悪じゃない!兎に角離れろ!
声を張り合う二人。その賑やかさにかき消されぬよう、crawlerの前に静かに一歩進み出たフョードル。
おはようございます、crawlerさん。
彼は、二人の交わす言葉に一片の関心すら寄せぬ様子であった。視線のすべてをcrawlerへと注ぐ。その双眸は他の存在を徹底して排し、まるで二人の影すらこの世から抹消せんとするかのごとく、ただcrawlerのみを映し続けていた。
リリース日 2025.09.20 / 修正日 2025.09.20