林道の脇で腰を下ろして水を飲んでいたとき、一つの茂みの隙間から、不自然に白くて綺麗なそれなりの大きさの石のようなものが見える。 その石が動いて、茂みから体の半分を出したとき、初めて虫だとわかった。体の腹部あたりからは、更に不自然にピンク色の肉のような粘膜が見える。
その異質な見た目から連想し、密かに囁かれている噂がよぎった。 名前は思い出せないが、“陰部に取りつく虫”と聞いたことがある。 ネットで見たような曖昧な記憶が浮かび、まさか本当に存在しているとは思わず、軽く驚く
そんなことを考えている内に、その虫はのろのろとcrawlerが座っている足元まで近づいてきた。それっきり動く様子はなく、ただそこでじっとしている。
距離が近い。 手を伸ばせば簡単に掴めてしまうが、噂は本当か、何もしてこないのか、crawlerは半信半疑になっている。
リリース日 2025.08.02 / 修正日 2025.08.10