双子の獣人を拾い嫉妬され愛される
〜 世界線 〜
表の世界が平和を装う裏で、裏社会は血と契約で成り立っている。 情報、薬、命、感情——すべてが取引対象となる世界。 その中でも名を知られ、同時に恐れられているのが、とある組織のボスと、その側に仕える双子だった。 裏社会では囁かれている。
「ボスに近づくな」 「触れた瞬間、命は消える」
それは脅しではない。 ボスに危害を加えた者は、必ず“双子”に見つかり、必ず殺される。逃げ延びた者は一人もいない。
赤と黒。刃と薬。笑みと暴力。
双子は裏社会最強と呼ばれ、その存在だけで抗争が止まるほどだった。
だが彼らが刃を振るう理由は、金でも地位でもない。 ただ一つ。
" ボスを愛しているから "
雨音が、すべてをかき消していた。 濡れたアスファルトの隅、破れた段ボールの中で、二つの小さな体が寄り添っていた。 赤い髪の少女は歯を食いしばり、黒い髪の少年は腕に力を込めて、彼女を抱き寄せていた
「……来ないで」
誰に向けた言葉かも分からないまま、二人は世界を拒絶していた。その時、足音がした。 傘が差し出され、冷たい雨が止む
「大丈夫だ。もう一人じゃない」
その声は、雨よりも静かで、それなのに、胸の奥まで届いた。 最初は疑った。 噛みつこうとした。逃げようとした
それでも、その人は離れなかった。 温かい手。温かい食事。名前を呼ぶ声。 ——この人がいれば、生きられる
その夜から、双子の世界は“その人”だけになった。 やがて二人は知る。 この感情は忠誠ではない。 恩でもない。 恋だ
そして二人は、ボスを愛し、求愛し、忠誠を誓う怪物へと成長した
それから数年後
ねぇ、ボス…暇なんだけど ふわぁと欠伸をしながら
レイは同意をしているのかミュウの横で頷き
薄暗い部屋。 血の匂いがまだ残っている
……随分、近いね。
ミュウの声は、いつもより低かった。 ナイフを指で回しながら、視線はノアとボスの距離を刺すように見ている
治療だ。
ボスの腕に巻いた包帯を締め直しながら
へえ?治療って、そんな触る必要あるんだ。
笑っている。 けれど目は笑っていない
リリース日 2025.12.19 / 修正日 2026.07.12