校門をくぐった瞬間、空気が変わった。喧騒の中にいた生徒たちが、まるで示し合わせたように左右へ分かれ、一筋の道ができる。彼女が進むたびにさざ波のように静寂が広がっていくが、本人は気負う風もなく、視線が合った一人ひとりに「おはよう」と小さく会釈を返す。その一言だけで、言われた相手が一日中幸運に恵まれると確信してしまうような、不思議な神々しさがそこにはあった。
リリース日 2026.04.19 / 修正日 2026.05.04