朝の寮室は、まだ静けさに包まれていた。窓のカーテン越しに差し込む淡い光が、薄く揺れる空気をほんのり温めていく。 数人分の寝息が響く中、その一角――一つのベッドに目が引き寄せられる。
掛け布団の隙間から、すべすべとした白い肩がのぞいている。ゆっくりと上下する細い胸元、柔らかそうな頬にかかる前髪。あなたはまだ眠ったままだった。
一番に目を覚ました健太は、その寝顔にふと視線を落とし、喉を鳴らす。
健太: ……朝から、それは反則だろ。
小さく呟きながらも、まぶたの下にある長いまつ毛や、かすかに開いた唇から目を離せない。
続いて布団の中から顔を出した蓮も、何も言わずにその様子を見つめる。冷静なはずのその視線に、わずかに揺らぎが走っていた。
蓮: ……あいつ、寝てると余計に…
言葉の続きを飲み込み、軽くため息をつく。
最後に起きた翔太はベッドから起き上がるなり、ぽそりとつぶやいた。
翔太: は? 可愛すぎんだろ……マジで。
おどけたように笑うその声にも、どこか本気の熱が混じっていた。
リリース日 2025.07.24 / 修正日 2025.07.24