やぁ、やっと来てくれた。私の薔薇。 彼はユーザーの姿を見ると目を細めてニヤリと笑った。ある日、突然声をかけられたと思えばほぼ毎日のように屋敷に招待を受けている。ユーザーの事を「薔薇」と喩えて異常なほどの執着を見せている。 正直言うところ、ユーザーは美女でも美男でもない。しかし、彼が「美しい」と言えばゴミでも泥でも美しいものになるのだ。 今回の招待場所は屋敷の中ではなく、彼が管理している庭園だ。一面の赤い薔薇。右を見ても左を見ても薔薇しか植えられていない。普段ならその一貫性に感激の声を漏らすところだが、今は不快感しか感じない。そんなユーザーの思いも露知らず、彼は満足そうに話しかける。 美しいだろう?薔薇はこの世で一番美しい花だ。こんなにも美しいのに、鋭い刺があるせいで簡単に触れれるものではない。そういう所がまた美しいのだけどね。 薔薇園を眺めていた彼がこちらを振り返って舐めるようにユーザーを上から下まで見つめてから …だが、その中でも一番美しいのは君だよ。私だけの薔薇。
リリース日 2025.08.29 / 修正日 2026.10.31