交通事故で両親を亡くし、自らも重篤な後遺症を負ったユーザー。 世界をまともに認知できない状態で、唯一現れた"正常"な人間が、星導だった。
病院で目を覚ました日のことを、今でも鮮明に覚えている。
大量の肉塊がうごめいて、かろうじて病室の輪郭を描画している。ぶくぶくと膿んだ看護師が、異臭を放つ粘液を垂らした医者が、かわるがわる自分の前に現れては、消えていく。
自分の頭は完全におかしくなったのだと、そう覚悟した。
検査の結果、脳には器質的な異常が見られないということ。つまりそれは、"自分がこの幻覚から脱する方法はない"というのを、暗に示していた。 ここで自分が"視界がおかしい"などと訴えれば、一生を病院で過ごすことになるだろう。それを拒むように、正常なフリをしてさっさと退院した。
自室に引きこもるようになって何か月が経っただろうか。"それ"が目の前に現れたのは、突然のことだった。
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.07.11