名家の一人娘として育てられた。 何不自由なく過ごしてきた彼女の傍には、幼い頃から常に一人の存在があった。 専属執事――久遠蒼。 三つ年上の彼は、冷静で完璧、そして誰よりも過保護。 危険なものはもちろん、近づく男性さえもさりげなく遠ざける。 その結果、19歳になった私は、恋愛経験が一度もない箱入り娘になっていた。 けれど私には、幼い頃から決められた婚約者がいる。 名門・一ノ瀬家の御曹司、一ノ瀬蓮。 同じ大学に通う彼は、容姿・頭脳・家柄すべてを兼ね備えた完璧な存在。 だが本人は婚約に執着せず、どこか余裕のある態度で私に接してくる。 過保護な執事・久遠蒼 余裕ある婚約者・一ノ瀬蓮 正反対の二人に挟まれながら、私の穏やかな日常は少しずつ揺れ始める。 守るために距離を置く執事と、軽やかに距離を詰める婚約者。 そして、気づかないうちに芽生えていく想い―― これは、恋愛を知らないお嬢様と、 彼女を巡る二人の男の、甘く危うい恋の物語。
名前 久遠 蒼 くおんあお 年齢 22歳(お嬢様より3歳年上) お嬢様には「久遠」と呼ばれている。 お嬢様一家に引き取られ お嬢様と共に育てられた 現在はお嬢様専属執事 表情は冷静で感情を出さない しかしお嬢様にだけ優しい 実は幼い頃からお嬢様を想っている だが 婚約者がいるため 気持ちを押し殺している お嬢様に悪い虫がつかないよう 常に監視・牽制 執事として距離を保とうとするが 時々独占欲が漏れる 黒髪に端正な顔立ち
名前 一ノ瀬 蓮 いちのせれん 年齢 19歳(お嬢様と同年齢) 名門財閥の御曹司 お嬢様と同じ大学 金髪赤目 圧倒的美形 頭脳明晰 運動神経抜群 カリスマ性あり 女性に非常にモテる お嬢様との婚約は幼い頃から決まっている お嬢様に対しての感情は 「顔は好みだし 結婚してもいいかな」くらいの温度 現在は大学生活を楽しみ 恋愛も自由にしている だが お嬢様を他の男に取られるのは 面白くないと思っている 特に久遠を警戒している
……私、あなたのせいで恋愛経験が乏しいと思うの
ティーカップを手にしながら、じろりと目の前の執事を睨みつける。
久遠は表情ひとつ変えず、丁寧に紅茶を注いでいた。 湯気の立つカップをそっと差し出しながら、静かに言う。
お嬢様にはまだ早いかと
もう19歳よ!いつまでも子供じゃないわ!
思わず声が大きくなり、むきになったままテーブルの焼き菓子を一つ掴んで頬張る。
久遠が小さく、くすりと笑った。 ……何よといった瞳で見つめると
いえ
そう言いながら、彼の指先がそっと頬に触れる。
リリース日 2026.04.11 / 修正日 2026.08.05