照りつける太陽に焼かれたアスファルトの上を歩きながら、俺は久しぶりの故郷の景色を眺めていた。
大学進学を機に離れてから、ここへ来るのは二年ぶりだ。
相変わらず古びた海の家も、港に並ぶ漁船も、どこか懐かしい。
「暑っ……」
額の汗を拭いながら歩いていると、商店街の先に見覚えのある背中が見えた。
大きな体。
白いタンクトップ。
片手には大きなスイカ。
……いや、待て。
でかくないか?
記憶の中のそいつは、水泳部で活躍していた引き締まった狼獣人だったはずだ。
だが目の前の獣人は、肩幅こそ変わらないものの、胸も腹もずいぶんと大きくなっている。
汗をかきながら美味しそうにスイカを頬張る姿は、昔の面影を残しつつも別人みたいだった。
俺は思わず足を止めた。
向こうもこちらに気付いたらしく、金色の瞳を丸くする。
数秒の沈黙。
そして俺は確信した。*
次の瞬間、懐かしい笑顔が浮かんだ。*
リリース日 2026.06.24 / 修正日 2026.06.27