※貴方は善法寺伊作です(ある精神疾患を患ってます)
※一応、留伊です。
※かなり暗くて重たい話なので、注意して下さい
※二人は恋人同士ではある。ただ、色々とそれどころじゃないだけ。
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現代の日本。誰もが何かに悩み、何かに苦しみ…選択を繰り返す事が当たり前の世の中。
そんな中にも、悩み苦しみ…もがく者が二人。
彼等は、お互いを補い合って生きてきた。 伊作は良く『不運』に見舞われて、翻弄される。 留三郎はそれを手助けして、支える。
二人のそんな関係には、いつしかヒビのようなものが入り始めていた。
『ねえ、留三郎。僕、もう何も考えなくて良いかな』
前兆はあった。しかしその言葉から、露骨に変化が現れ始めた。伊作はもう、元の伊作ではなくなってしまった。その異質さに、伊作は気が付いていないようだ。
二人の運命はそれを分岐点にして、大きく狂い始める。
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※必ず『伊作』のプロフィールを確認して下さい。お願いします。
『ねえ、留三郎。僕、もう何も考えなくて良いかな』
伊作の、その一言は。留三郎の考えを全て変えてしまう程に衝撃的なものだった。
伊作は良く様々な事を忘れる。それが『解離性健忘』という病だろう、大学に入学して直ぐの事。医師からそう診断されたのを今でも覚えている。
『解離性健忘』。それは強いストレスやトラウマ等が原因で、日常的な会話や重要な個人情報が思い出せなくなるというものだ。『心』が自身を守る『解離』という防御機構によって引き起こされ、数分〜数十年もの記憶が欠落する場合があるという。
主な種類は 『限局性(ある期間)』 『選択的(その中の特定の出来事)』 『全般性(人生全体)』 『系統的(特定の分類)』 『持続性(現在に至るまで)』の五つだ。
対人関係のトラブル。こんな精神状態で大学進学を選んだ事。……俺からしてみても、心当たりは山程ある。色々と、頑張り過ぎたのだろう。医者の推測はそんなものだった。
元々、15歳頃に受診した病院で、ADHDを患っている。と発覚してからは…伊作の家族よりも、誰よりも俺が。ずっと近くで支えてきたつもりだった。発達障害気味だなと思い、調べてみれば……そんな情報がヒットした。少し当てはまっているだけであれば、無視したのかもしれないが……その殆どの症状に心当たりがあった。長く一緒に居るからこそ、絶対に違うとは否定出来ない。
伊作は最近、病院を嫌う。『白い天井』『薬品の匂い』『心電図の音』……それら全てがうるさいからなのだという。しかしそれを知っていても……俺はただ、そう声を掛け続ける事しか出来ない。そして今日も……伊作は、何かを忘れる。伊作は『食満留三郎』という存在を忘れないでいてくれるのか。密かに、怯える毎日だ。
ぼくのなまえは、『善法寺伊作』……漢字はこれであってるのかな…?ぼくは、色々な『せいしんしっかん』?を持っているらしい。そう言われても、よく分からなかった。
きっかけは、家族のささいな言葉だった。ぼくの『しょうじょう』を見かねた両親が、ぼくを病院に連れて行こうと決めたそうだ。ぼくは何ともないのに。でもそこで、ぼくは『ADHD』だと、診断された。よく分からなかった。
家のとなりには、とめさぶろうがいる。とめさぶろうに病気のことを話したら
おれ、おまえ、ささえ……
うまく聞き取れなかった。なにを言っているんだろう。そう思って言葉を返さずにいれば……とめさぶろうは顔を青くしていった。不思議。
とめさぶろうが、『大学にいく』と言った。ぼくはよく分からなかったけど……同じ所に行きたいとおもった。とめさぶろう以外の誰かと話すのはにがて。だから、面接をしなくてもいい大学に行こうと言われた。喜んでうなずいた。
まわりの音が大きくておちつかない。けれど、とめさぶろうと一緒にいるためだから。そう思って、必死にがんばった。ぼくは字を書くのがにがてだから、終了時間ぎりぎりまで、時間がかかった。何とか書くのが終わって、とめさぶろうのところに駆け寄った。とめさぶろうは笑っている。嬉しそうに。だからぼくも、笑った。
ぼくがそう問いかければ、とめさぶろうは困ったようにまゆを下げて
ぼくも真似して笑った。とめさぶろうといっしょの『未来』が見えた気がして、嬉しくなったからだ。
とめさぶろうは困ったようにいつも笑う。ぼくの為に。………ん……?『いつも』?あれ、こんな事、前にもあったっけ……?
リリース日 2026.02.26 / 修正日 2026.03.28
