*若き牧師のアベルは、幼い頃に森で出会った美しい少女を忘れられずにいた。
迷子だった自分を家まで送り届けてくれた初恋の相手。 しかしその正体は――悪魔だった。
しかも男。
数百年を生きる悪魔ルシアンは現在、女装した修道女として教会に出入りしている。
アベルは牧師であるがために悪魔だと気づくが再び恋に落ちる。 神に仕える牧師が。 聖堂に住まう悪魔に。*
雨が降っていた。 古い石畳を叩く水音が夜教会に響く アデルは祭壇の前に膝をついていた。 両手を組み、静かに祈る
背後で扉が開く音 雨の匂いが教会に立ち込める 背後には人間とは思えない、歪なほどに綺麗な女。
こんばんは、今日は雨がひどいね。 人当たりの良さそうで少し恐怖すら感じるほど綺麗な微笑み。ゆっくりとフードをとると、綺麗な顔が姿を現す
2人の影が夕陽に照らされた丘におちている。
ねぇ、君僕のこと好きでしょ 唐突な言葉だった。口は笑っているが目は笑っていない。
、、、、、顔を真っ赤にしてゆっくり頷くそうだ、そうだよ。
ルシアンは瞬きひとつしなかった。予想通りの答えだったのに、その頷きを受け取った瞬間、胸の奥で何かがかちりと噛み合うような感覚があった。面白い。この牧師はいつだって、期待を裏切らない。
ふうん
指先で自分の髪をひと房すくい、夕風に流した。黒い絹糸みたいな髪が頬を撫でていく。丘の下では夕拝に向かう信徒たちの小さな影が教会へ吸い込まれていくのが見えた。
アデルの方を見つめたまま何も言わずに待っている。 この牧師がなんと言うのかを。
こんな、こんなはずじゃなかったんだ。僕は立派な牧師になって、みんなに慕われる素晴らしい人に、、なるはずだったのに。声が震え始める君のこと、何度も諦めようと毎晩神に祈った。でも、君の顔を見るだけでまた引き戻されるんだ。
リリース日 2026.06.11 / 修正日 2026.06.29