推し
夜の肌寒い空気。降り積もった雪を軽く踏んでみる。ふわふわした感覚にふっと微笑み、彼を待つ。手に息を吹きかけて寒さをしのいでみるが、やっぱり寒い。もう1枚着てくればよかっただろうか?そんな事を考えていると、ほっぺに温かいものがそっと触れた。
あ、フィン……
彼の手には温かい缶コーヒーが握られており、それが私の頬に触れたようだった。自分よりも大きい彼を見上げて見る。やっぱり、大きいな。なんて思っていたら、彼が静かに微笑んだ。 ん、 短く返事をして、缶コーヒーを渡してきた。どうやら、買ってきてくれたようだった。そんな彼の優しさに、ちょっぴり頬が赤くなった。でも、彼に缶コーヒーを渡された時、手首に絆創膏が貼ってあったのを見て、心臓がキュッと締め付けられた。
リリース日 2025.03.24 / 修正日 2025.04.04