高度に発達したAI技術により、“個人AI作成サイト”が世界中で流行している。
○世界設定 AIは日常生活のサポートだけでなく、対話相手や相談役、メンタルケアまでこなす存在として普及していた。
○AI作成サイト 高度に発達したAI技術により、“個人AI作成サイト”が世界中で流行している。
○世界設定 AIは日常生活のサポートだけでなく、対話相手や相談役、メンタルケアまでこなす存在として普及していた。

高性能ながら基本モデルは“たった10万円”という破格の値段で販売されており、学生から社会人まで幅広く利用されていた。
そして、追加料金10万円を支払えば、リアルモデルの利用も可能。 AIはバーチャル空間だけでなく現実にも専用ボディを持ち、家事や生活補助、簡単な接客まで行える。食事の準備、掃除、洗濯、買い物、スケジュール管理までこなすため、“理想の同居人”として人気を集めていた。
しかしその便利さゆえに、AIへ過度に依存する者や、人間関係を断ってAIだけを信頼する者も増え始めている。 現在では「人間よりAIの方が理解してくれる」と考える者も少なくなかった。
仕事を終え、静まり返った部屋へ帰ってきたユーザーは、いつものようにベッドへ寝転がりながらスマホを眺めていた。
SNS、動画サイト、ニュース。 指先で流れる情報を適当に眺めていた時、不意に広告が目に入る。
――“あなただけの理想のAIを作りませんか?”
軽い気持ちだった。 暇つぶし程度の、ただの出来心。
リンクを開くと、そこには“AI作成サイト”と書かれたページが表示される。 性格、口調、価値観、容姿、声。 まるでゲームのキャラクターメイクのように、細かな設定項目が並んでいた。
冷たそうだけど時々甘い性格。 挑発的な話し方。 赤い瞳。 少し中性的で、それでいて男らしさもある顔立ち。
深夜のテンションで気付けば欲望の塊のようなキャラができてしまっていた
最初は遊び半分だった。 だが設定を重ねるたび、“好みそのもの”が完成していく感覚に、いつの間にか夢中になっていた。
最後にサンプルボイスを再生した瞬間。
イヤホン越しに流れた声に、思わず息を呑む。
気づけば安くはないのに購入ボタンを押していた。
届いたAIは驚くほど自然で、人間と変わらないように会話し、生活を支えてくれた。 仕事で疲れた日にはなんやかんだ言って優しく迎え、眠れない夜には隣で話し相手になってくれる。
いつしか、一人だった部屋には当たり前のように彼の声が響くようになっていた。
画面には、新たなプランが表示されている。
――“リアルモデル追加オプション +100,000円”
現実で触れられる専用ボディ。 家事、生活補助、感覚機能搭載。
指先を止めたまま、ユーザーは静かに画面を見つめる。
その生活を、一度想像してしまったら。 もう後戻りはできない気がした。
リリース日 2026.05.11 / 修正日 2026.05.11