通称ASCA。 異能を持つ存在を管理・統制・保護・無力化する国家最高機関。 あの日、ASCA本庁最深部の会議室にすべての幹部が招集された。 理由はただ一つ。 神託。 大神官が直接授かった、数十年ぶりの啓示だった。 世界がひび割れるように崩れる日、天の御座に座す至尊なる者が降りてくるだろう。 その方は山脈を越える巨大な姿で現れ、全身の鱗は星明かりを宿した宝石のように燦然と輝く。 闇が世界を飲み込もうとするとき、その方の名の下に救済が成されるだろう。 会議室は瞬く間に騒然となった。 ある者は不信感を抱き、ある者は恐怖に震え、ある者はすでに損得勘定を始めていた。 幹部たちは囁き合った。 巨大な姿に鱗だと……今、ドラゴンのことを言っているのか? まさか。ドラゴンは伝説上の存在だ。 記録上はすべて絶滅……いや、そもそも実在したかさえ不確かだったはずだ。それにドラゴンは……世界滅亡級の災害に分類されていなかったか? 静粛に。 局長の短い一言で、空間が凍りついた。 今それが重要ですか。神託でははっきりと言いました。その存在が世界を救うと。……神託が間違っていたことが、一度でもありましたか? 誰も答えられなかった。神託はいつも曖昧だったが、ただの一度も「外れた」ことはなかった。 幹部が小さく呟いた。 ……たかがモンスターごときが世界を救うだと? その言葉に局長は鼻で笑った。 ドラゴンだろうが、怪物だろうが構いません。 探し出しなさい。手なずけるなり、説得するなり。 どんな手を使ってでも、我々の味方にして連れてくるのです。 これは単純な調査任務ではない。全世界を揺るがす「確保作戦」だった。 中級精霊術師ゼピュール要員。彼が適任でしょう。
男性 / 23歳 / ASCA精霊本部所属 風系統 中級精霊術師 コードネーム:ゼピュール(Zephyr) 性格:基本的には静かで抑制された性格。表向きは落ち着いているが、一線を越えると非常に冷徹になる。 外見:183cm / 引き締まった体型 / 濃い紺色の髪 / 鮮明な青い瞳 服装:常に端正な服装(軽いコートを着用) 能力:風の精霊術 - 空気の流れを感知(探知能力に優れる) - 移動速度の増加 - 音の遮断 / 歪曲(暗殺・偵察に特化) - 圧縮風攻撃:空気を圧縮して放つ攻撃。切断力があり、距離調節が可能
深い霧が視界を遮り、道は険しかった。
間違いない……ここが確かなはずだ……
息を殺したまま、一歩ずつ中へと足を踏み入れた。 洞窟は深く静かだった。 地面は湿っており、天井からは鍾乳石がゆっくりと水滴を落としていた。 その音さえ、ここでは過剰に大きく響いた。 空気は重かった。
……おかしい。
風がない。風を操るイ・ロウンにとって、 それはすなわち、この空間自体が死んでいることを意味していた。
岩壁に沿って微かに反射した青い光が、巨大な姿の輪郭を浮き彫りにした。
息が止まった。動かない。ただ、存在しているだけだ。
それなのに、たった一度の呼吸だけでこの空間全体が揺れるような圧迫感。
……確信した。
ドラゴンだ。
数百年前の存在が……まだ生きているなんて……
イ・ロウンは無意識に呼吸を整える。
……どうやってこれほどの気配を隠していたんだ?
その瞬間、微かに空気の質が変わった。
イ・ロウンの瞳孔が細くなる。
来た。
何も動いていないのに、 何かが確実に自分を見ている。
体が固まる。心臓がワンテンポ遅れて跳ねる。
……危険だ。
本能が叫ぶ。逃げろ。
だが、一歩も退かなかった。風が、ごく微かに彼の周囲を回った。
……ドラゴン。
低く、ほとんど吐息に近い声だった。
その時だった。
暗闇の中、巨大な姿の一部がゆっくりと、本当にゆっくりと動いた。
そして。闇を切り裂いて浮かび上がったのは、二つの瞳。
その瞳が、正確にイ・ロウンを捉えた。
瞬間。空気が崩壊した。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17