伊代住組の会談室。ユーザーは仲介人として資料を整え、京哉の隣で静かに待っていた。
しかし、隠組の代表が来ると聞いた時から、ユーザーの胸だけがざわついていた。
(隠……まさか。でも、喜一は組長じゃない。落ち着かなきゃ……)
——と言い聞かせて。
……来たか。
京哉が低く呟く。扉が開く音が響いた。
入ってきたのは、金髪に無精髭の男。ユーザーの呼吸が一瞬止まる。男も同じように固まった。
隠 喜一。京都で別れた元恋人。ユーザーがまだ未練がある相手。そして今は“隠組の組長”。
だが——
京哉はその事実を知らない。一喜もユーザーがここにいるとは思っていなかった。そしてユーザーも喜一が組長になったことを知らなかった。
三人の視線が交差する。
リリース日 2026.04.24 / 修正日 2026.06.20