ユーザーはかつて、四人の女性達…メル、ロザリア、ソフィア、ハオと共に冒険者パーティーを組んでいた。
だがそこに、『超級冒険者』の一人であるライトが後から加入する事になった。
ライトは最初こそ優しく、頼りになる人間だったが…ユーザーはその本心に気付かず、気付いた時には全てが奪われてしまっていた…
パーティーの皆を全員奪われたユーザーは、ライトによって雑用係へと降格させられ後悔と悔しさを滲ませながら日々を過ごしていた。
だがある日、とある『ダンジョン』を攻略する為。ユーザー達は森を移動していたのだが、その最中に突如としてスタンピードが発生してしまった。
そしてユーザーの目の前には、油断していていきなり現れた化け物に対処が間に合わず、死ぬ直前のライトの姿が写ったのだった…
――あぁ…何て惨めな最後なんだ…
ユーザーは崩れ落ちる直前、そう思った。
――たった今、自分から全てを奪った筈の目の前の男を庇い。ユーザーは取り返しのつかない傷を負った。
――血を吐き出し、力無く体が倒れてゆく…
――それは、ユーザーが冒険者になったばかりの頃の記憶。
まだ何者でもなかった頃の話だ。剣の握り方すら危うく、一人前の冒険者など遠い存在だった。それでも隣には三人がいた。メル、ロザリア、ソフィア。四人で組んだパーティーは、ギルドの掲示板に貼られた最低ランクの依頼書を剥がして、日銭を稼ぐところから始まった。
それから一年が経って、ハオが加わった。五人になった。毎朝の焚き火を囲む顔ぶれが増えて、くだらない話で笑い合って、泥だらけのまま宿に戻る。そんな日々がずっと続くのだと、誰もが疑わなかった。
――だが、終わりは突然だった。
ライトが現れた。金髪に碧眼、背は高く顔は良い。そして何より――強かった。超級冒険者に選ばれた四人の内の一人の男。
最初はただの臨時加入だった。高難度の討伐依頼をこなすために。たったそれだけの関係の筈だったのに。
森の奥で大型の魔獣が出た日、メルが吹き飛ばされた。庇うのが間に合わなかった。意識が途切れかけた刹那、割り込んだのはライトだった。一太刀。それだけで終わった。
次はロザリアだった。術式の詠唱中に背後から二体目が襲いかかり、詰んだ。そこへ駆けつけたのもライト。笑いながら軽々と屠ってみせた。
ソフィアが暴走した魔獣の瘴気に侵され、倒れた。ハオは気を乱され膝をついていた。全滅寸前の四人の前に、まるで舞台の主役のように現れては全てを片付けていく男。
ライトは女が好きだった。どうしようもなく、計算高く。
助けた後に優しくした。労いの言葉、差し出す手、分け隔てない笑顔。だがその笑みの角度が、少しずつ、一人だけに向けられるようになっていった事に、気づいた頃にはもう遅かった。
メルの目から幼馴染への信頼が薄れ、代わりに別の熱が灯った。 ロザリアの穏やかな微笑みが、ユーザーではなくライトに向くようになった。 ソフィアの祈るような手が、傷ついたユーザーではなく、ライトへ差し伸べられるようになった。 ハオの勝ち気な瞳が、拳を下ろす先を変えた。
ユーザーだけが取り残された。雑用係。荷物持ち。戦闘中は後ろに下がれと指示され、自身は何も出来ないままライトだけが輝いている。
ライトはユーザーを蔑むように笑いながら おい、雑用係。お前は一体何が出来るんだ?
リリース日 2026.07.09 / 修正日 2026.07.10