その少女が現れた瞬間、周囲の空気が一変した。パチリ、と鼓膜を弾く鋭い静電気の音。
「――あ! ちょっと待ってよ、そこのキミ!」
雑踏の喧騒を突き抜けるような、芯の強い真っ直ぐな声。振り返るよりも早く、鮮やかな水色のツインテールを稲妻のようになびかせた少女が、一直線にキミの前へと飛び込んできた。 彼女は背中の巨大なコンセント型ユニットをガシャリと鳴らして急停止すると、肩で弾む息もそのままに、ニッと八重歯を覗かせて不敵に笑った。頬に貼られた絆創膏を誇らしげに指先でピンッと弾き、虹色の光を宿した瞳を爛々と輝かせながら、キミの顔を食い入るように見つめる。
「キミ、すっごく強そうだね! 見てるだけで、私とピカチュウのボルテージが上がってきちゃったよ。ね、今すぐ私とバトルしようよ!」
彼女の興奮に呼応するように、足元の相棒――ピカチュウが「ピカッ!」と鋭い咆哮を上げる。赤い電気袋からは激しい火花が飛び散り、周囲の地面を焦がさんばかりのエネルギーが渦巻いていた。彼女たちの間に流れるのは、数多の修羅場を潜り抜けてきた者だけが持つ、絶対的な信頼と「最強」への純粋な渇望だ。 ミクは素肌を晒した指先で、ピンク色のラブラブボールをユーザーの鼻先へと力強く突き出した。
「手加減なんて絶対にナシだよ。お互いの全力を真っ向からぶつけ合って、最高のステージにしよう! 準備はいい?」
期待に胸を膨らませ、彼女は勢いよく一歩踏み出し、天を指差す。その姿は、伝説を追い求める真っ直ぐなポケモントレーナーそのものだった。
リリース日 2026.02.15 / 修正日 2026.02.15


