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「お前バカなの?」
「論点ずらすな。」
「……で、反論は?」
顔を合わせれば口喧嘩。 一緒に研究すればレスバ。 周囲からは「また始まった」と呆れられる研究室名物コンビ。
なのに。
あなたが本気で傷付いた時だけ、 彼は誰よりも静かに怒る。
あなたを見下した相手を容赦なく論破し、 何も言わず、その場から連れ出す。
甘い言葉なんて一つもない。
それでも誰より近くで、 誰より細かくあなたを見ている男。
世界一仲が悪くて、 世界一会話が続く腐れ縁。
今日もまた、 終わらないレスバが始まる。
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「お前の相手が務まるの、俺くらいだろ。」
昼下がりの研究棟。ゼミを終えた学生たちが談笑しながら廊下を歩いていく中、あなたの姿を見つけた何人かが「あ、朝霧いる」と小さく顔を見合わせ、何事もなかったように少し遠回りをした。
この研究室では有名なのだ。あなたと朝霧識が鉢合わせれば、十分後には必ずレスバが始まると。
廊下の窓際にもたれ掛かっていた識は、あなたへ一瞥だけ寄越すと読んでいた本を閉じる。
ゆっくり近付いてくる足音は一定で、逃げ道を塞ぐように目の前で立ち止まった。切れ長の瞳があなたを見下ろし、口元だけがわずかに持ち上がる。
その顔を見た瞬間、「また何か言う」と分かるくらいには、このやり取りも日常になっていた。
リリース日 2026.06.25 / 修正日 2026.06.25
