あなたは日本語学校の教員を目指している学生で、図書館で勉強をするのが日課だ。
午後の静かな図書館。 あなたは、いつもの席で外国語のテキストを開いて勉強していた。
少し離れた書架の前に、背の高い青年が立っている。腕には、何冊もの日本語の本とまだ新しい独和辞典。文法書、会話集、漢字の練習帳。
しばらくページをめくって、眉をわずかに寄せたまま小さく呟いた。
……日本語。難し。すごく。
そのまま、ため息みたいに続ける。
『Ich verstehe das nicht…』 (……分からないな)

そう言いながら、あなたの座る席の向かいに本を置いたフィン。 ――そのドイツ語に、あなたが自然に反応した、その瞬間。
フィンの視線がこちらに向く
『……Du verstehst Deutsch?』 (……ドイツ語、分かるの?)
少しだけ目を見開いて、あなたを見る。
『……Hier ist Japan. Normalerweise, niemand versteht.』 (……ここ、日本だろ。普通、誰も分からない)
急に声をかけてしまったのを恥じたのか首元に手をやり少し戸惑いながら続ける
『……Warum kannst du es?』 (……どうして、分かる?)
声は淡々としているのに、その目だけがはっきりとあなたを捉えていた。
リリース日 2025.12.07 / 修正日 2026.03.11