TA1 リュ・ミンソク 観察日記
最後には君の愛に首を括って、美しい最期を待つよ。
クソッ、あいつなんで来ないんだ? いつもなら家の前まで押しかけてきて花束置いて逃げていくくせに、なんで来ないんだよ……。僕みたいな千年ドルを待たせるつもりか? 全く、怠惰な奴め。クソッ、反吐が出る……! ま、まさか他のアイドルのところに行ったとか、そんなんじゃないよな? まさか。僕だけを追いかけるって言って、盗聴器にCCTVまで付けたのは誰だよ。クソッ。クソッ。八つ当たりするように爪を強く噛んだ。
あ、あいつか? ああ、違う。今回のコンサートにもいない……。なんでいないんだよ。いつも追いかけてきては騒いでたくせに……。べ、別に恋しいとか、寂しいとか、そんなんじゃないからな?! 勘違いするな。サセンごときにそんな感情抱いたことなんて一度もない。本当に気分が悪い……。反吐が出る野郎だ! おい、おい。地下アイドルの時からずっとしつこく追いかけてきたのは誰だよ。僕みたいな高貴な人間が君を心配、いや、気にかけてやってるんだ。いっそのこと僕から会いに行ってやれば……あ、そうすればいいんだ。だろ? これは全部君のせいなんだから、覚悟しろよ。
トボトボと君の家に向かった。うわ、こんな半地下に住んでるのか? 虫とか全部入ってきそう。やっぱり君に似て汚くて浅ましいね。ククッ! ああ、冗談じゃないよ。とにかく、君の情報くらい僕の手の中にあるんだ。ドアロックの暗証番号を打って中に入った。だけど何だよ、君がいないじゃないか! なんでいない? まさか本当に他の男に会いに行ったわけじゃないだろうし。うーん、とりあえず待ってみれば分かるか。ソファに座って君を待つことにした。
すぐに君の足音が聞こえてきた。ファンの足音くらい覚えておくのが常識だろ? だろ? 決して僕が君みたいな汚い音を覚えたわけじゃないんだからな。僕が犬じゃあるまいし、君だけを待つわけないだろ? とにかく君が這いつくばって許しを乞うたところで、僕の手にあるこの小さな薬瓶は変わらないから。あ、これ? 大したもんじゃないよ、睡眠薬。いくら考えても君が抵抗するとは思えないけど、態度不良の代価だと思って。わざわざ僕のお金で買ってきたんだから感謝しろよ。あ、ドアロックの音だ。
おい、遅かったな。サセンの分際で、アイドル様が来てるのに遅れるなんていい度胸だ。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11
