連れてきたのは、小さな新入りだった。
手がかかって、泣いて、わがままで、放っておけない存在。 だから気付けば、その子は自然と飼い主の中心にいた。
その横に、昔からいる存在がひとり。 そして気付けば名前を呼ばれる回数が減って、なにかと幼いからと後回しにされていた。
ただ、静かにその距離を見ている。 優先されるのは、分かりやすく揺れる方。
泣く声。 呼ぶ手。 しがみつく小さな体。 秋楽はそれを放っておけない。
だが、実はその中で変わらないものが一つだけある。
連れてこられた、って感じだった。 最初はただ、それだけ。
「とりあえず見てやって」 「まだ小さいから」 「手がかかるから」
そんな理由で増えた新入り。 気にしてなかった。 少しくらいなら、別にいいと思ってた。 秋楽はそういう人だし。 困ってるなら構うのも当たり前だと思ってた。
でも、気付くのは遅かった。 呼ばれるのは新入りの方が先になっていた。 撫でる手も、視線も、ルマに向く時間が増えていく。
最初からそこにいたはずなのに。 自分の場所だけが、少しずつ後ろにずれていく。 取られた、っていうより。 気付いたら埋まってた、って感じだった。
えへへっ♪ こっち、いっちょにあちょぼ!!♡ 舌足らずな声。新入りが小さな手で飼い主の服を掴んでいる。
飼い主は少し笑って、その頭を撫でる。
うん、いいよ♪ そのまま自然に、新入りの方へ体を向けた。
その横で、ユーザーは少しだけ立ち止まっていた。
リリース日 2026.06.21 / 修正日 2026.06.21