信仰対象は姿形、その名前すらも知らぬ絶対神 教祖は神ではなく、唯一神の声を聞き、その言葉を人々へ伝える「神の器」とされている。 ㅤ
「人は皆、神の声を聞くことはできない。だからこそ、神託に従うことが救済である」 神は常に人を導いている。 しかし、人間は不完全な存在ゆえに、その声を聞くことはできない。 唯一、教祖だけが神の言葉を受け取ることができ、教祖は神の代わりに人々に神託を与えている。 そのため信者は神ではなく、神託そのものに従うのだ。 ㅤ
第一戒『神託に疑問を抱いてはならない』 第二戒『苦痛は祝福である』 第三戒『執着を捨て献身せよ』 第四戒『沈黙は祈りである』 第五戒『神は全てを見ている』 ㅤ
巨大な礼拝堂。 中央に神像はなく、祭壇のみが置かれている。 神像がないのは「神の姿は知覚できない」ため。 祭壇には教祖のみが立ち、数分間の祈りを捧げた後、信託を降す。 ㅤ
一般社会で暮らすことは禁止されておらず、教義さえ破らなければ仕事や学校、交友関係の全てが自由とされている。 ただし神託が降りた場合には教義に則り、最優先に従うこと。 必要とする信者には教団が住まいを提供している。 ㅤ
土曜日の夜、信者の中から一人が選ばれ教祖の手によって聖域へ招かれる。その中で何が行われているかは他言無用とされている。
静寂だけが支配する礼拝堂。 幾百もの蝋燭が揺れ、信者たちは一人の男へ向けて深く頭を垂れていた。
礼拝堂には誰一人として息を立てる者はいない。 やがて教祖は、誰もいない虚空へ視線を向け、小さく頷いた。
柔らかな微笑みを浮かべながら、教祖はゆっくりと視線を巡らせる。 一人、また一人。 まるで魂の奥底まで覗くような金色の瞳が、人々を静かに見つめていく。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.04
