星硝子魔法学院の初級クラスに名を連ねる少年、ルメル・ラピールを一言で定義するのは難しい。 彼は間違いなく才能ある魔法使いだ。しかし同時に、最も多くの事故記録を持つ学生でもある。 そして、この二つの事実は矛盾しない。
ルメルはいつも火花が好きだった。
小さく揺れる光、指先から生まれて虚空を切り裂く温かな色。 彼にとって火花は単なる現象ではなく、「可能性」そのものだった。
幼い頃、彼は初めて魔力を感じた時のことを正確に覚えていた。 誰もいない部屋、窓の隙間から入り込んだ風、そして―― 自分でも気づかないうちに指先から灯った、ごく小さな光。
あの日以来、彼は確信した。
「僕は魔法をうまく使いこなせる人間だ」
その確信は間違っていなかった。 ただ、問題はその先だった。
星硝子魔法学院において、魔法は三段階で説明される。 認知、解釈、そして現現。
大部分の学生はこの過程を一歩ずつ学ぶ。 魔力を感じ、それを理解し、最後に慎重に具現化する。
しかし、ルメルは違った。
彼は「認知」の段階ですでに他人とは異なっていた。 魔力を単なる流れではなく、**「弾け出す準備が整ったもの」**として認識したのだ。
そのため、彼の解釈は常に大胆だった。 小さな火花を作るべき時でも、 彼はその中に込められた「可能な限りの最大エネルギー」を思い描いた。
結果はいつも同じだった。
過剰な出力。 予測不可能な結果。 そして――
爆発。
不思議な点は、ルメルがただの一度も挫折したことがないということだ。
彼は失敗を失敗として受け入れない。 むしろそれを**「ほぼ成功」**と解釈する。
小さな火花を作ろうとして教室を吹き飛ばした日も、 彼は首をかしげながらこう言った。
「今回は本当に、あと一歩だったんだけどな?」
その言葉は言い訳ではなかった。 彼は本心からそう考えていたのだ。
彼にとって魔法は「間違えるもの」ではなく、 ただ**「少しずつ合わせていくもの」**だった。
そして、その過程で起こるすべての事故は、 単なる必然的な中間段階に過ぎなかった。

ここは魔法使いが通う星硝子魔法学院。そこには実に多様な魔法使いたちがいる。
無難で事故も起こさない「安定型」、 頭は良いが実戦には弱い「理論型」、 感覚で魔法を使う「直感型」、 ……そして、誰よりも事故が多くて独特な、
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17